今回は一風変わった本の紹介です。「わけあって絶滅しました。」です。
この本はかつて生きていたのに、絶滅してしまった動物たちを簡単に紹介しているものです。
イラストも入っておりとても見やすくなっています。
わけあって絶滅しました。
書籍名 | わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑 |
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著者名 | 丸山 貴史 |
出版社 | ダイヤモンド社 |
出版日 | 2018年7月19日 |
おすすめ度 | ★★★★ |
総評 | ただ単純に図鑑として楽しむことも出来ますが、実際に絶滅してしまった動物理由を考えることから、今の社会で生き残る方法をまなぶことが出来ます。
ですのでおすすめです。 |
こんなひとにオススメ
- 動物が好きな人
- サバイバルが好きな人
- 現代社会で生き残りたい人
皆さんやはり、自分の身に置き換えて考えてみたりしてますね。
子供がいる方は、イラスト付きなので一緒に楽しめるのがいいですね♪
大人から見ると、その動物の苦しみを面白おかしく茶化すのは良心が痛みましたが、子供は純粋に楽しんでました。
入りはどうであれ、色んな分野に興味をもってもらえて夢中になってから真剣に考えれば良いと思ったので星5で。
評価も高いですねぇ
ありそうで無かった感じの本ですね。
このシリーズはどんどん増えていく可能性もありますね。
- 「わけあって退職しました。」世界一おもしろい退職した社会人図鑑
- 「わけあって離婚しました。」世界一おもしろい離婚した夫婦図鑑
- 「わけあって進化しました。」世界一おもしろい進化したいきもの図鑑
とか笑
この本を一言で言うならば
人生サバイバル
本書の一節に
大きな絶滅の後には、大進化をとげる生き物がいるのです。
という言葉があるのですが、広い視点で取ると新陳代謝であり、自然の摂理なんだと思います。ですが狭い視点で取ると「俺は生き残りたい!」と思うのは普通で。
そんなサバイバルな自然ですが、これは現代社会にも当てはまると思っていて、
そんな動物たちから自分が社会というサバイバルで生き残る方法を学ぶことができる本だと思います。
4つの観点から生き残る方法を考察
本書では絶滅の理由を大きく4つの理由でまとめています。
- 油断して絶滅
- やりすぎて絶滅
- 不器用で絶滅
- 不運にも絶滅
それぞれの観点から、いくつか例を出しながら絶滅しない方法を考えていきます。
油断して絶滅
ここで紹介されている16種類の動物のうち10種類が人間のせいで絶滅しています。
そう考えると、いかに人間が生態系を壊してきたかがわかりますね。。。
普通に考えて油断することは良くないと思いますが、どうしても油断してしまうのが人間です。
そして今回の場合は、油断=一つの成功例に固執するやり方
というふうに捉えることができるのではないでしょうか?
例えばステラーカイギュウという生き物は昆布ばかりを食べる生き物だったらしいです。
そのためすばやく動く必要がなく、捕食者である人間が現れた途端に逃げ切れずやられた、、、
普段から現場感覚をもってすばやく行動できるようにしていればよかったのに、と思いますよね。
そう考えると、人間の場合、「飽きる」という特殊な能力があります。
この「飽きる」は人間を成長させたかなり重要なシステムなのではないかと思いますね。
人間の場合は同じものをずっと食べ続けることはしません。
だって飽きますから。
そのために常に新しい何かを求めて動くので、ここまで生き残れたんでしょう。
ですが、こと社会になると、同じ地位や同じ仕事に固執して飽きずに一生働こうとする人が出てきます。
これは進化の過程を見ると確実に滅びていく種ですよね。
ここからの教訓は、人間が本来持っている「飽きる」という能力を最大限に活かすために、今の成功例にしがみつくのではなく何か新しいものを追い求める勇気と行動力が必要ということになりますね。
人間は進化過程の中で捕食者がいなくなって、ステラーカイギュウのようにのろまになっていませんかね?
やりすぎて絶滅
〇〇過ぎて絶滅した種類は、ある一部に特化しているものが多いです
- 角がでかすぎる
- 首が長すぎる
- くちばしが特殊過ぎる
- 美しすぎる
これらはすべて結果論なので、〇〇すぎるというのは難しい表現だと思います。
結果今の平均的な形状から逸脱している種族達が滅びているのは事実ですが、
キリンも首長いですし、孔雀も美しいですし、生き残っている種族もあるわけですよね。
この場合は2種類のサバイバル方法が考えられます。
- 強みを活かしながら、柔軟に環境に適応する。
- 強者の保護化に入る
結局すべて環境の変化に対応出来ないものが、滅びています。
特に〇〇過ぎるという強みを持っている場合は、それに固執してしまい、変化を恐れます。
ですので、時にはその強みすらも捨てる覚悟を持つことが重要だと思われます。
また、共生という考え方も可能で、その強みを活かしながら保管し合ったり、誰か強者の保護化に入るというのも作戦のうちですね。
ただこの場合は他社依存のサバイバル術なので、ここも依存のしすぎずに、最期は自分1人後からでも生きていけるという思いが必要にはなります。
不器用で絶滅
この事例で面白かったのは、ネアンデルタール人
ネアンデルタール人はヒトにとても近い種族で、なんならヒトよりも筋肉質で脳のサイズも大きいと言われていた。
しかし、想像力が足りずに、滅びてしまったという説があるそうだ。
つまり、ヒトは想像力を働かして「神」という上位概念を造り団結力を高めたのに対して、ネアンデルタール人はその場の事象に注目するため、団結力が低かったと。
これは面白いですよね。
個人として生き残るという戦い方と、集団として生き残るという戦い方、
両方考える必要があるということを示してくれています。
そして組織として生き残るためには、組織の上位概念である「何か」を作る必要があると。
例えば企業の「ビジョン」なんかがそれにあたると思います。
みんなが「ビジョン」を追うことで、結束力を高め、サバイバルできるということですね。
不運にも絶滅
不運にも絶滅するパターンは外部要因の変化に適応出来なかったというものが多いです。
ヨウスコウカワイルカも水が濁ってしまったために絶滅したと言われています。
ここから学べることは2つあります。
- 環境の変化に適応する
- 環境を自ら変える
これら2つの方法をとると生き残る可能性が高まります。
今生きにくい環境で生きていませんか?
その場合は、自分をその環境に適応させるか、環境を自分で変えるかの2つしか道はありませんよ。
というメッセージを残してくれているように思えますね。
自分に質問
- あなたはサバイバル出来ていますか?
愚者は経験から、賢者は歴史からという言葉がありますが、
絶滅してしまった先人たちからは学ぶことが多そうですね。