脳のことを知ろうと思うとめちゃくちゃ深すぎたので、今回は集中に関する基本的な脳の構造を説明します。
最高の集中状態であるディープワークに関する説明はこちらでしてますので良かったら。
集中するための脳の仕組み
まず集中するための仕組みを知るために、基本的なイメージを説明します。
脳では情報を伝達する方法は基本的に2種類あります。
それは微弱電流による伝達とホルモンによる伝達です。
神経間の情報伝達はこのホルモンによって行われます。
よく言うドーパミンとかノルアドレナリンとかですね。
ある刺激を受けた神経は脳内神経伝達物質を出します。
そしてその神経伝達物質が受容体(レセプター)によって受け取られることで化学物質による細胞間の情報伝達をするということになります。
言ってみれば当たり前ですが、このイメージが重要です。
A10神経群と自己報酬神経群
そして今回集中に関係する神経の集まりを紹介します。
それがA10神経群と呼ばれるものです。
この神経群はカルフォルニア工科大学のジェームズ・オールズ教授という方によって発見されたと言われています。
A10神経群って聞いたことある人いません?
そう、エヴァンゲリオンで出てくるんですよ笑
エヴァンゲリオンではエヴァの操縦には操縦者との脳神経結合を行うみたいなんですが、
その神経接続するときに用いられる神経群が何を隠そうA10神経群なんです。
このことからも分かるように、人間にとって非常に重要な役割を持ってる神経群です。
それではA10神経群の役割の説明をします!
A10神経群の役割
A10神経群の役割は情報にレッテルを貼る機能だと言われています。
どんな情報なのかと言うと、それは私達が普段感じていることや見ている情報です。
その情報に、「好き」「面白い」「興味深い」「つまらない」などの感情や気持ちに結びつくレッテルを貼るのです。
この機能のためA10神経群は別名快感中枢とも言われているらしいです。
そして、このA10神経群を通りラベリングされた情報は前頭前野に伝達されます。
そこで「面白い」などのポジティブなラベリングをされた情報は記憶に値する、と認識され短期記憶の箱に入れられると言われています。
そして前頭前野で面白いと判断された情報は、自己報酬神経群に送り届けられ、自己報酬神経を刺激して、それがやる気や集中力のもとになると言われています。
非常にざっくりした説明ですが、上記のようなことが脳内で行われています。
つまり、集中状態になるには、その対象が「面白い」「好き」などのポジティブなラベリングをされる必要があるということです。
例えば、嫌いな上司に無理やり押し付けられた仕事を集中してこなすことってなかなか難しいじゃないですか、これは脳がそのタスクは遂行するに値しないと認知しているからなんです。
自己報酬神経群
それでは自己報酬神経群の特徴を説明します。
自己報酬神経報酬群の神経伝達物質は主にドーパミンだと言われています。
ドーパミンはやる気や集中などのモチベーションに大きく関わる神経伝達物質です。
このドーパミンを刺激する方法は、先程説明した、情報にポジティブなラベリングをすることになります。
そして、この自己報酬神経群は「何か達成して報酬をもらう」ことをモチベーションとしているのですが、「あと少しで達成しそう」という状態の時に最も活性化すると言われています。
逆に「達成するのが見えた」タイミングで活性が弱くなると言われています。
よく言われている話で、水泳の北島康介選手は、壁をタッチするまでがゴールではなくタッチして電光掲示板を見るまでをゴールと設定しているという話がありますが、これは脳の性質からしたら理にかなった考え方のようです。
また逆に、やる気がでないという悩みを抱えた患者の脳を見たところこの自己報酬神経が機能していないことがわかりました。
これが集中するための脳の仕組みです。
この仕組みをざっくりでいいのでイメージしておくことが重要です。
ちなみに今回は
こちらの本を参考にしています。
非常に分かりやすく科学的に説明されてる本なのでおすすめです。