今回は『SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える』の書評です。
この本は科学的なエビデンスに基づいて様々な事例が紹介されていてめちゃくちゃオススメの1冊です。
目次
『SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える』
SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える 三笠書房 電子書籍
書籍名 | SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える |
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著者名 | ドナルド・サル,キャスリーン・アイゼンハート |
出版社 | 三笠書房 |
出版日 | 2017年8月31日 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
総評 | 非常に参考になる本です。 ビジネスでもプライベートでもこのシンプルルールを活用していくことが如何に重要かが分かります。 そして概念的な話で終わっておらずちゃんと実行レベルまで落とし込めるのがいい点です。 |
こんなひとにオススメ
- 物事を複雑に考えてしまいがちな人
- 人生をより効率よく充実したものにしたい人
- 何かの成果を追い求めてる人
このシンプルルールは全ての人に当てはまることが出来ると思うので、正直全人類に1度よんでもらいたい本ですね。
ちょっとあえて低評価のモノを探してきました笑
具体例が散漫で、仕事に結び付かないものばかりだった。
食事制限のルールが何度も目立ち仕事には参考にならない。
いやー、凡庸な内容でした苦笑
発売後の高評価レビューがパタッと止まってますね。あやしい笑
と言うと、また増えるでしょう笑
なるほど。事例が多く紹介されているのですが、実はそれらには共通する要素があって、意図的に紹介されていると思うのですが、その共通項を見つけることが出来なかった人にとっては確かに散漫な印象を受けるかも知れませんね。
凡庸な内容というのも実はシンプルにまとまってるからの印象かも知れません。
本書では単純とシンプルは違うと言ってますが、凡庸と捉えるということは単純なものと捉えたということでしょうかね。
この辺の線引きは難しいですね。
まぁ確かに全ての人に満点のものなんて存在しませんしね。
この本を一言で言うならば
全てに共通するルール
特に原始的な生物や昆虫もシンプルなルールに従っているという話は面白かったですね。
物事を複雑に捉えてしまうのは、その本質が見えてないからなのでしょう。
学んだこと3つ
それではシンプルルールで学んだことを書いてきます。
物事を決断するための3つのルール
物事を決断するためには3つのシンプルなルールがあります。
境界線ルール
境界線ルールとは一言で言うと、「やる」「やらない」を決めるルールです。
DAEPAという団体の例が紹介されており、この団体ではプロジェクトをやるやらは次のルールに則っているそうです。
- 科学的探究心を高めるプロジェクトか
- 実用化に結びつくプロジェクトか
なるほどシンプルですね!
ちなみにこのDAEPAというところは、常勤が120人で年間予算が30億円しかないのに、インタネット、GPS、ルンバのもととなるようなテクノロジーを開発している超効率的な団体です。
優先順位ルール
やるやらが決まれば次は、その優先順位を決めるということですね。
こちらでは、ALLという輸送会社の事例が紹介されています。
ここはこのルールが取り入れたれたあと3年間で売上が1.5倍に、その後上場まで行きました。すごい効果ですね。
- もっとも売上拡大の妨げになっているものはどれか?
- もっともすぐに利益が出るものはどれか?
- もっとも投資額が少なくてすむものはどれか?
- もっとも再利用が加納なものはどれか?
このシンプルな優先順位を決定するルールが絶大な効果を発揮したんですね。
確かにシンプルなんですが、非常に本質的というか、ハッとさせられるルールですよね。(これは少しカスタマイズしたら個人にも適応できそうですよね)
停止ルール
やるやらを決めて、その優先順位も決めて、いよいよ実行段階に入ります。
しかし、やってみたものの全てうまく行くとは限らないですよね、
そこでそのプロジェクトをいつ撤退するのか、停止ルールというのが重要になってきます。
コオロギの例は面白くて、繁殖期にオスは羽を震わせて音を出します。
そしてメスはその羽根の震えを見てオスを判断します。
そこにもシンプルなルールがありました。
それは1秒間に3回以上の頻度で連続して、スピーディーに口説けるオスが選ばれるのでした。みこすり半とはよく言ったものですね!
しかし、メスが24時間立っても理想のオスを見つけることが出来なかった場合、そのルールを停止して、基準のハードルを下げるのです!
ある一定のルールで動くことを「固定閾値戦略」と呼び、ハードルを下げる戦略のことを「可変閾値戦略」といいます。
つまり、はじめは固定閾値戦略なのですが、停止ルールが働き可変閾値戦略に移行するというわけです。
これは面白い話ですよね。人間は年齢が上がるほど、機会が少なくなるほど理想が高くなる逆可変閾値戦略なきがしますね。これは自然界からしたら少し逆行している考えなのかも知れません。
物事を実行するための3つのルール
物事を判断したら次は、物事を実行する必要があります。
そこで物事を進めるためのシンプルなルールを3つ紹介されています。
ハウツー・ルール
これは制約ルールと言ってもいいかも知れません。
なにか物事を進める時に、それに制約をかけることにより、よりクリエイティブな発送ができて、質が高くなると言ったものです。
有名な画家のモネさんは6種類の絵の具だけで、200点以上の絵を書いて表現したと言われています。
自由度が高いと逆に思考の邪魔になり、制約があるとそこから工夫していいものを作ろうとするんでしょうね。これは真理な気がします。
コーディネーション・ルール
これはシンプルに複数のメンバーが共存できるルールを決めていこう!ということです。
なぜムクドリの大群はお互いにぶつかりあうことが無く、大移動ができるのか?
この問に答えたのが意外なジャンルであるCPグラフィックの専門家の考えたシンプルなアルゴリズムからでした。
- 隣の鳥に近づきすぎない
- 隣の鳥から離れすぎない
- 隣の鳥と動きをあわせる
これらのシンプルなルールを設けシュミレーションしたところ、ムクドリと全く同じ動きになったそうです。
面白い!
タイミング・ルール
物事を進めるにはタイミングが重要ですよね!
タイミングに関するシンプルなルールを設けることで物事をより効率的に運ぼうということですね。
トンボの例が面白いです。
プリンストン大学の研究チームが発表したものなのですが、
アメリカのギンヤンマはなぜ、大移動する時に100キロ以上も移動したと思ったら、数日休んでだりするのかという問いに答えました。
そしたらそこにもシンプルなルールがあることが分かりました。
- 二晩続けて夜間の気温が下がると飛ぶ(夜間の気温が低いと北風が吹いてその風邪にのれるから)
- 風が強い日は休む(風速毎秒6メートル以上のときは休む)
ということでした。
面白いですね。
昆虫たちは非常にシンプルなルールにしたがってあの大群をマネジメントしてたんですね。
これぞ自然界の法則ですね。
ルール作りの4つのルール
ルールづくりをより効率よくするための4つのルールが紹介されています。
- 「自分の経験」をとことん活用する
- 「他人の経験」をうまく拝借する
- 「科学的根拠」でたくみに補強する
- 「話し合い」でレベルをあげる
いいですね、これらの要素を使ってルールをより精度高いものに指定校ということですね。
他にも、シンプルルールプログラムを作ったYPOという団体が作成したルールや、個人レベルでのルールなど様々なものが紹介されていますね。
自分に質問
- 境界線ルールの説明とその例
- 優先順位ルールの説明とその例
- 停止ルールのの説明とその例
- ハウツールールの説明とその例
- コーディネーションルールの説明とその例
- タイミングルールの説明とその例
- ルールを強化する4つの方法の説明とその例
- シンプルルールプログラムでの戦略を建てるための3つのルール
ちょっとあげるとキリがないのでいったんここで。
めちゃくちゃオススメの本なのでぜひご一読あれ
SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える 三笠書房 電子書籍