今年もお盆の季節になってきましたね。
よく「お盆休み」とかお「盆の時は亡くなった人が帰ってくる」とかいろいろ聴いたことがある人が多いと思うんだけど
実際お盆って何? って知ってる人って意外と少ない気がしてて、
お盆に関してまとめてみることにしました。
お盆の由来
お盆のもとになったお経
お盆は仏教の行事なんだけど、仏教行事ってことはそのもととなる経典があるわけで、
実は「盂蘭盆経」っていうものが存在するとのこと
その内容は
お釈迦様の弟子に当たる目連尊者っていう人がいて、その目連尊者には神通力っていう特殊能力があって、その特殊能力を使って、亡くなった自分のオカンを探してんて
そしたら、オカンは餓鬼道に堕ちていることが分かったらしい。
仏教の世界では六道って言って、天道、人道、地獄道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道
のそれぞれの世界があって、死んだら生前の功徳によって堕ちる場所が違うらしい。
その餓鬼道では、オカンは喉を枯らし飢えててんて。
目連尊者は自分のオカンがそんな状態やから特殊能力を使って、水や食べ物を差し出してんけど、ことごとく口に入る直前に炎となって、母親の口には入らなかったらしいねん。
そんで、どうにかしたいと思って師匠であるお釈迦様に相談したら「僧侶に食べ物を施せば、7世代の父母そして現世の父母にもその施しの一端が口に入るだろう」と教えてくれてんて。
そして、その通りに実行して、僧侶すべてに布施を行い、僧侶たちは飲んだり食べたり踊ったり大喜びしてんて。
そしたら、その喜びが餓鬼道に堕ちている者たちにも伝わり、母親の口にも入った。
めでたしめでたしっていう話らしい。
んで、そのお坊さんにお布施した時期が旧暦の7月15日に当たる日で、そっからお盆っていう行事が生まれたねんて。
- お盆は「盂蘭盆経」っていうお経が元になっている
- 盂蘭盆経では全ての僧侶に食べ物や飲み物を伏せするように記載
- 現世の父母だけでなく7世代の父母が救われる
- お盆は旧暦の7月15日
日本においてのお盆の位置づけ
今の話だと、現世と過去7世の父母に対して苦しみを救うために行う行事っていう話だったけど、今のお盆の認識って「亡くなった父母や祖父母のような先祖がこの世界に来るからそれをお迎えして祀る」っていう認識がほとんどやと思うねんけど。
ちょっと認識にずれがあるよね
この、先祖を祀るっていうのは、日本にもともとあった先祖信仰って言われてる信仰らしくて、この先祖信仰と仏教が習合したのが「お盆」の行事とされてるねんて。
もともと日本には年中行事として、春夏秋冬の四季があって、更に一年を2期に分けた
1月の初めと7月の初めには先祖が訪ねてくるっていう日本独自の民族信仰があったらしくて、この7月の時期と「お盆」の時期が重なったっていうのも、先祖信仰と仏教が習合した大きな理由とされているみたい。
つまり、信仰的な相性と、時期的な相性の2つの要件が合わさって、今の「お盆」という行事が日本で流行したと考えられてるねん。
- 日本のお盆は先祖信仰と仏教が合わさっている。
- 日本にはもともと先祖を祀る先祖信仰があった。
お盆の期間
現在日本ではお盆の時期は3パターン存在するらしい
- 7月盆として「新暦7月15日」を中心に行事をおこなうパターン
- 8月盆として「新暦8月15日」を中心に行事をおこなうパターン
- 旧盆として「旧暦7月15日」を中心に行事をおこなうパターン
もともとは旧暦の7月15日だったんだけど、日本にグレゴリオ暦(新暦)が採用されたことでちょっとややこしくなったらしい。
旧暦ってのは月の満ち欠けで判断してたから、の7月15日っていうのは7月の満月の時やねんて。
グレゴリオ暦との対応見てみると
平成26年(2014年) | 08月10日 |
平成27年(2015年 | 08月28日 |
平成28年(2016年) | 08月17日 |
平成29年(2017年) | 09月05日 |
平成30年(2018年) | 08月25日 |
平成31年(2019年) | 08月15日 |
平成32年(2020年) | 09月02日 |
だいたい1ヶ月-1ヶ月半くらいのズレが生じてることが分かる。
このことから
- 旧暦の7月15日っていう数字だけど新暦に当てはめた①のパターン
- 新暦ではおよそ8月15日だろうということでとりいれた②のパターン
- いやいや旧暦の7月15日に従うよっていう③のパターン
この3つに分けられるらしい。
基本的にはお盆の期間は都市部などでは「7月13日〜16日」の4日間で他の地域では「8月13日〜16日」の4日間になってるねんて。
- 日本には旧暦と新暦がある。
- 旧暦は月の満ち欠けで判断。新暦は現在使ってる暦。
- お盆は地域によって3つのパターンの期間がある。
お盆の行事
お盆は地域によってだいぶ変わるから全部まとめることができないけど、一般的に行われてる行事をまとめると
- 13日(迎え盆):夕方に盆提灯を灯し、庭先に「迎え火」として麻幹(おがら)を焚き先祖の霊を迎える
- 14〜15日:先祖の霊は家にとどまり、ご住職をお招きしお経を唱え飲食をして供養をおこなう
- 16日(送り盆):夕方に送り火を焚き「先祖の霊を送り出す」
この3つのイベントから構成されるみたい。
お盆の準備
お盆で準備しないといけないことを図にまとめたからまずはこれを参考に
- ※地域によって異なる。
- ※寺院との調整によって異なる。
買うものリスト
地域によっても違うけど一般的には同じ。
一応参考のリンクを入れておく。
主な盆棚用アイテム※地域や宗教によって異なる
低めの机 | |
---|---|
まこものゴザ | 経机の上に乗せる用。大きさは経机と相談が必要 |
麻がら | ナスの馬、キュウリの馬を作る際に使う。 また、送り火や迎え火をを焚くときにも使う。 |
笹竹 | 盆棚を四隅から囲うように配置する。 |
盆提灯 | 基本的には盆棚の左右に一対(左右各一つ)配置 |
主なお供え物※地域や宗教によって異なる
線香 | |
---|---|
ろうそく | ここに説明文を入力してください。 |
仏花 | |
御霊供膳(仏飯) | |
浄水 | |
夏の野菜/果物 | |
ナスの牛 | |
キュウリの馬 | ![]() |
水の子 | |
そうめん | ![]() |
団子 | ![]() |
お菓子 | 生前に仏様が好んでたもの |
お盆セットがオススメ↓
「迎え火」「送り火」
13日の夕方か夜に菩提寺とお墓に参り、祖先の霊を迎える時に
霊が迷わず帰ってこられるように焚くのが「迎え火」です。
16日は送り盆です。この日に、お盆の間の一緒にすごした祖先の霊を送り出す時に焚くのが「送り火」
豆知識
キュウリの馬・ナスの牛
これは先祖の霊が、馬に乗って一刻も早くこの世に帰り、牛に乗ってゆっくりあの世へ戻って行くために用意される。
また、先祖の霊がキュウリの馬に乗り、牛には荷物を乗せて楽に帰れるように、という意味が込められていると言われている。
盆踊り
もともと盆踊りは、お盆に帰って来た故人や先祖の霊を慰め、無事に送り帰すため行事のこと。また、帰って来た霊が供養のおかげで成仏できた喜びを、踊りで表現しているともいわれている。
以上【2018年版】お盆の徹底解説!
お盆は先祖様を供養する為に行う行事なので、形式に囚われすぎずに、無理のない形で行うのがオススメ。
もし迷うことがあったらお寺さんに相談するのが良いと思う!